
こんなお悩みを抱えている飲食店経営者の方々にオススメしたい雑談力に関して、飲食関係の仕事をして10年ほど経つ私が纏めていきます。
飲食店で大事な雑談力とは何か

雑談の一流二流三流こちらの本で紹介されている"スキル"になります。
「雑談力」とは...誰しもが日常的に行っている会話に、実は技術が問わているという事です。
※この本では雑談の一流二流三流のケースに分けてそれぞれがどんな雑談をするのかを紹介しています。
雑談の進め方
実は、雑談には流れが存在します。
step.1
始める:「準備~挨拶などのファーストコンタクトを取り雑談を始める」
step.2
広げる:「質問や褒める事を駆使して相手に話してもらい雑談を広げる」
step.3
聞く:「感情を乗せて感嘆詞を使って相手の雑談を聞く」
step.4
盛り上げる:「周りの役割(①回す人②話す人③聞く人)を考えて自分が不足している役になり、雑談を盛り上げる」
step.5
好印象を残す:「別れ際に記憶に残ったエピソードを伝えて、印象に残す」
飲食店に於ける雑談
飲食店に於いて雑談力が問われる共通するシーンとして、注文する時に雑談が発生します。
その数秒の間にstep.1とstep.5の「ファーストコンタクト」と「好印象を残す」その技術が非常に重要となります。
居酒屋やバーなどの業態や状況によっては、お客さんが長期滞在して、長時間の雑談が発生するシーンでは、step.1-5の全てが大事となるお店もあるでしょう。
飲食店に必要な雑談力をどの様にレべルアップさせるか

日々のトレーニングが大事です。
雑談って、一日の内に"全くしない人"は、少ないのではないでしょうか。
それ位取り組む機会が多いです。
しかし、その機会を意識してトレーニングと捉えている人はほぼ居ない為、雑談をトレーニングとして行う事で圧倒的に他者と差別化出来るでしょう。
本を手に取って読む時間が無い人は、以下の動画を見て、一流の雑談をしている人がどんな事をしているのか学び、一つづつ取り入れていきましょう。
本記事では一番大事な"始め方"と"終わり方"の最も重要な一例を紹介いたします。
雑談の始め方
- 3流は、挨拶だけ。
- 2流は、挨拶に一言付け加える。
- 1流は、挨拶に二言付け加える。
3流は、「いらっしゃいませ!」だけ。
※むしろこの挨拶すらしてもらえないお店もありますが、そこは論外です。
2流「いらっしゃいませ、本日は寒いですね。」これだけでも、十分印象に残せます。
1流「いらっしゃいませ、本日は寒いですね、温かいモノは如何でしょうか?」⇒ツーワードプラスする事で、次の会話に広げやすくなります。
1流は挨拶にツーワードプラスして、相手の事に関する質問を投げかけます。
挨拶+①「」+②「」を必ず埋めないといけないというトレーニングを行い、自然に雑談を開始出来る様になりましょう。
この前、カフェに行った時、気温が平均より高かった為、アイスコーヒーをオススメされました。
只、私は、お腹を直ぐ壊すので、夏でもホットコーヒーを飲みたい派なんですよ。
なので、とてもオシャレなカフェで気に入っていたのですが、これだけで若干マイナスな印象になってしまいました。
一言、こちらの需要を求める質問をするだけで、全く違う接客が出来る様になります。
雑談の終わり方
- 3流は、普通に「サヨナラ」
- 2流は、次の約束を取り付けようとし、
- 1流は、相手の頭の中に「空白」を作る
レジでのお会計のシーンで、
「ありがとうございました~」では3流で、「またいらしてください~」は2流で、1流は「来月は期間限定で生ハムのハンバーガーが販売されます~」という様に来月のオススメメニューなど相手が気になる事を伝えて、去り際に相手の頭に空白を残す。
そうすると、相手は気になるはずです。
人間の脳は空白を嫌うからです。
人間の心理を活かして、広告をすると、リピートにも繋がり易くなります。
去り際には相手の頭に空白を残す事をトレーニングしましょう。
この様な細かくシチュエーションに分けて、1流2流3流と紹介されていますので、動画や本を参考に、自分のお店の接客オペレーションを見直してみてください。
飲食店の接客において、何故雑談力が大事か。

雑談が出来る様になると、自然にクロスセル(セットで別商品を勧めて単価を上げる手法)が行われますし、知り合いのお店感が出てリピートが醸成されやすくなります。
雑談での効果:クロスセル(ついで買い)
偶然出てきたセブ島でのスタバの注文動画で、雑談力がいかに大事かが分かります。
まず、前お店に来た事を覚えてくれていて、「同じ商品要る?」みたいな声掛けをしてくれて、「犬か猫好き?」って聞いてくれて絵を書いてくれているし、最後「ケーキも要る?」みたいに自然にオススメしてくれますね。
近年、ユーザーの広告リテラシー(知識)が上がってきていて、広告だと気づかれると逆に売れなくなってきています。
広告のコンサルタントは、2022年現在、"広告だと気づかれない広告"を打つことを提案しています。
その手法はtiktokであり、Instagramの活用で実現されています。
オフラインでは、雑談がこの動画のクロスセルの様な"告知っぽくない告知"を実現してくれます。
雑談での効果:リピーター醸成
店員とユーザーの間でアイスブレイク(緊張した固い空気や心を壊すモノ)が行われて、関係値がグッと高まります。
そうすると、知り合いからのオススメが心に刺さり易い事に少しでも近い状態に持っていけます。
その結果、モノも売れやすくなりますし、リピートにも繋がり易くなります。
アメリカに行った時に感じた日本と違う飲食店のスタッフの「とても良いな」と思った所は、声のかけ方が違いました。
「have a nice day!」とか、去り際に一言あるだけで、全く印象が違いますし、とても明るくてフレンドリーですし、元気が貰えます。
動画内にある接客中の雑談は一流テクニックです。
何だかんだ、人は自分に一番興味がありますから、自分の事に対する興味や質問って、とても嬉しいですし、去り際の一言は、結果として好印象を与えます。
飲食店の接客見直しは、日本をも救う??
私が仕事の関係でベルギーへ研修に行った際、現地の方が日本に来た時に驚いたことの一つとして、日本の飲食店は"安くても"丁寧に接客してくれると言っていました。
日本のおもてなし精神が現れていて、とても良い事だと思うのですが、それに対して、適切な対価を頂いていかないと、限界が来ていると私は思います。
キツイ、キタナイ、クサイでは、デジタルネイティブの若者は、集まってこないです。
安い日本と言われ、国際競争力を失っている事は、GAFAなどの巨大テックカンパニーが生まれていないからだけでは無く、既存の仕組みのままで思考停止してしまっている事も影響していると思います。
サービスに見合った対価を貰い、従業員の所得を上げて、ひいては日本の円安を食い止めていくことが、人材不足、食材高騰の改善に繋がっていきます。

少子高齢化の日本は、2022年以降も人手不足、材料費高騰はどんどん加速していきますので、飲食店は今、次のどちらかの岐路に立たされています。
- 安さを追求するなら徹底したマニュアル化、効率化
- 単価を上げていくなら、ホスピタリティー(おもてなし)の向上
①は、設備投資などでお金がかかる為、チェーン店には勝ちづらいです。
つまり、個人店は②で戦っていくためにスタッフの接客力を向上させていかなくてはいけない。
その要因の一つとして、"雑談力"が大事だと私は考えています。
是非、自分のお店でも取り入れてみてください。